アメリカでは日本車が大量に走っているのに、
日本ではアメリカ車はほとんど走っていない。
不公平だ。
アメリカのトランプ大統領がこう発言をして久しいですが、みなさまはどうお考えでしょうか?
ネット上でのコメントを見てみると、アメリカ車は
- 車が大きすぎる
- 燃費が悪い
- 壊れやすい
といった『イメージ』が強く、否定的な意見が多いです。
そこであまり否定的なことばかり考えずに
日本で次に買う車はアメリカ車にするとしたら?
というのを考えてみました。
現在日本でよく乗られている
コンパクトカーとミニバン
を選ぶとしたらどの車にするか?
というちょっと前向きな(?)観点でアメリカ車を見てみましょう。
但し、日本からの撤退が決定されたフォードの車や、ゼネラルモータースの日本市場では展開されていないブランド、ビュイックなどの車種も含めて検討したいと思います。
アメリカの自動車メーカーとなると組織はかなり巨大で、日本ではあまり知られていない車種がヨーロッパや中国、韓国での工場でも製造、販売されています。
これらも含めて検討したいと思います。
コンパクトカー

アメリカ車にコンパクトカーなんてあるんですか?
このジャンルはアメリカ車といちばんイメージがかけ離れているのではないでしょうか?
でも、ちゃんと小さい車も用意されています。
コンパクトカーがどんな車を指すかというと厳密な定義というのは無いのですが、
日本車でいうとトヨタ ヴィッツやニッサン マーチ、ホンダ フィット、マツダ デミオ などがコンパクトカーと呼ばれるジャンルでしょう。
- 排気量はガソリンエンジンの場合1000~1500ccぐらい
- 全幅1,700㎜ぐらい
- 全長4,000㎜ぐらい
こんなところでしょうか。
参考までに日本でいうところの5ナンバー(小型乗用車)は
総排気量2000cc以下
全高2,000mm、全長4,700mm、全幅1,700mm
以内となっています。
候補として上がるのは
- フォード フィエスタ
- シボレー スパーク
- シボレー ソニック
この3台です。
フォード フィエスタ
メーカーホームページ:www.ford.com/cars/fiesta/2017/
代表スペック
1.0L直列3気筒DOHC ターボ
全長×全幅×全高=3995×1720×1475mm
フィエスタはスペインのバレンシア工場やドイツのケルン工場が製造を担当する、
アメ車といえどもヨーロッパで生産されているモデルです。
日本でもフォード撤退までは正規に輸入され、販売されていました。
5ナンバーのサイズ枠を少しはみ出ているので
日本では3ナンバー登録になります。
勘違いしている人も多いですが、自動車税は排気量で分けられていますので、
3ナンバーになったからといっても税金はかわりません。
特徴はなんといってもダウンサイジングターボエンジン、
「エコブースト」997ccターボです。
最高出力は100ps、最大トルクは17.3kg-m
燃費もカタログ数値で17.7km/hですから悪くないでしょう。
組み合わされるトランスミッションはデュアルクラッチ6速AT「PowerShiftTM」を組み合わせています。
また、自動ブレーキシステム「アクティブ・シティ・ストップ」が全車に標準装備と安全性にも配慮がゆきとどいています。
シボレー スパーク
出典:Wikipedia
メーカーホームページ:www.chevrolet.com/spark-fuel-efficient-car.html
代表スペック
1.4L直列4気筒DOHC
全長×全幅×全高=3675×1597× 1,483mm
スパークもアメリカで生産されず、
ゼネラルモーターズ子会社である韓国GM(旧 大宇自動車)
が生産されています。
エンジンは1,399 ccで最高出力98ps、最大トルクは12.9kg-m
5速マニュアルミッション、もしくはCVTが組み合わされます。
燃費は41MPG、(約17.4km/h)とホームページで公表されています。
コチラも悪くはないでしょう。
アメリカのシボレー公式ホームページではスマホとの連動性が推されています。
どうやら、オーディオシステムとスマホを連動させたり、キーロックやヘッドライト、ホーンといった遠隔操作をスマホからできるようです。
安全面では前方衝突に対する警告と走行中のレーン逸脱警告が付いているようです。
シボレー ソニック
メーカーホームページ:
www.chevrolet.com/sonic-small-car.html
www.chevrolet.com/2016-sonic-small-car.html(2016モデル)
代表スペック
1.6L 直列4気筒DOHC
全長×全幅×全高=4050×1740×1525mm
ソニックはアメリカのミシガン州と韓国GMで生産されています。
あまり知られていませんが、この車も日本に正規輸入されて販売されていました。
日本には1.6Lモデルしか入ってきていませんが、
アメリカでは1.4Lダウンサイジングターボエンジンが用意されています。
1.6Lエンジンは1,597ccで最高出力115ps、最大トルクは15.8kg-m、燃費は11.3km/h
1.4Lターボエンジンは1,399 ccで最高出力138ps、最大トルクは20.5kg-m、燃費は40MPG(17.0km/h)
共に6速ATが組み合わされ、スペックで見ると1.4Lターボエンジンがかなり魅力的に見えますね。
3台の中では一番大きく、1クラス上の車格といってよいかもしれません。
コンパクトカーまとめ
私個人の意見としては1.0Lダウンサイジングターボエンジンを搭載したフォード フィエスタが良い選択ではないかと思います。
ヨーロッパでの生産という信頼性の高さや1.0Lという小排気量エンジンで普通自動車としては最小の自動車税額で抑えられる点、自動ブレーキシステムなどが決め手でしょう。
ミニバン

アメリカのミニバンってミニじゃないよね?ビッグ・バン??w
ミニバンもこれといった定義のようなものはありません。
- 3列シート
- 乗車定員は6人以上
- 大きさやエンジンサイズは様々
日本でいうと、ノアやセレナ、ステップワゴン、アルファードにエルグランドが人気車種ですね。
日本では『ミニ』ではないミニバンもアメリカでは『ミニ』です。
アルファードよりもはるかに大きい『フルサイズバン』が存在するからです。
シボレーアストロという車が一時期流行ったこともありましたが、あれでさえ『ミニ』サイズです。
こうした大きさ感覚のずれも考慮して
できるだけ小さいミニバンを集めてみました。
- ビュイック GL8(全長×全幅×全高= 5,203×1,878×1,811mm)
- クライスラー パシフィカ(全長×全幅×全高= 5,171 ×2,022×1,775mm)
- ダッジ グランドキャラバン(全長×全幅×全高= 5,144× 1,953× 1,750mm)
アルファードの寸法は全長×全幅×全高= 4,935×1,850×1,895mm
ノアやセレナ、ステップワゴンといった
5ナンバーサイズのミニバンは残念ながら見つかりませんでした。
ビュイック GL8
出典:Wikipedia(写真は先代モデル)
メーカーホームページ:www.buick.com.cn/gl8/
代表スペック
2.0L 直列4気筒DOHC ターボ
全長×全幅×全高= 5,203×1,878×1,811mm
ビュイック GL8は中国のゼネラルモータース合弁会社である
上海GMが製造販売しています。
2016年後半にモデルチェンジしたばかりで3代目モデルになります。
それまでにあった直列4気筒2.4LとV6 3.0の2種エンジンを取りやめ
1種類となった2.0Lのターボチャージャー付きエンジンは最高出力259ps、
最大トルクは35.6kg-m、燃費は11.2km/hとなっていています。
シャーシの基本構造は変わりありませんがトーションビームサスペンションから
4輪独立サスペンションになった為乗り心地も先代モデルから向上しています。
3列シートの7名乗りの広々とした内装はしっかり作りこまれていて、
高級感があります。
クライスラー パシフィカ
出典:Wikipedia
メーカーホームページ:www.chrysler.com/pacifica.html
代表スペック
3.6L V6 / 3.6L V6 PHV
全長×全幅×全高= 5,171 ×2,022×1,775mm
パシフィカには最高出力287馬力を発生させるV6 3.6Lガソリンエンジンのモデルと
最高出力260馬力を発生させるV6 3.6L+PHVシステムのモデルを用意しています。
アメリカ車ミニバンでは初のハイブリッドモデルとなります。
ガソリン等価換算燃費は約34.0km/L、
EV走行での航続距離を約48km、
240ボルト電源なら2時間でフル充電が可能としています。
ハイブリッドモデルは駆動用のリチウムイオンバッテリーを座席の床下に配置されています。
このためガソリンエンジンモデルでは可能な2列目の座席を床下に収納するということができなくなっています。
プラグインハイブリッドによる高燃費は魅力ですが、ボディサイズは3台の中で一番大きく、
日本の狭い路地では少し運転しにくいかもしれません。
ダッジ グランドキャラバン
メーカーホームページ:www.dodge.com/grand-caravan.html
代表スペック
3.6L V6 /
全長×全幅×全高= 5,171 ×2,022×1,775mm
エンジンはV6 3.6L。パワーと燃費はそれぞれ283ps、10.6km/h。
パシフィカと同じエンジンを搭載しています。
フルサイズの『ダッジバン』に対して運転しやすいミニサイズのバンがダッジキャラバンでした。
すなわち1980年代からアメリカにとって長い間、ミニバンといえばダッジ キャラバン(ロングバージョンがグランドキャラバン)であり、
ミニバンの代名詞と言える車でした。
しかし、日本からアメリカ向けに設計されたアメリカでいうところのミニバンサイズである
トヨタ シエナや、ホンダ オデッセイ(日本のオデッセイとは異なる)にその人気の座を奪われてしまいます。
日本では姉妹車のクライスラー グランドボイジャーという車の方がよく知られていましたが2011年には販売を終了。
そういった点からいうと、大きさも燃費ももう少し改善が欲しいところでしょう。
ミニバンまとめ
サイズやエンジン排気量からいうと、
ビュイックGL8ですが中国での生産というところで機械的な信頼性が低い点が気になります。
パシフィカのPHVはとても魅力的です。
価格もアルファードハイブリッドよりも一割高いほどですから、大きさや質感という観点からすれば価格相応と言えるでしょう。
ただ、やはりその大さと、3.6Lという日本の税制では3.5L以上とう境目をぎりぎり乗り越えて、毎年8500円多く税金がかかってしまう排気量が気になるところです。
ダッジキャラバンはモデル末期でしょうから、安ければ買いかもしれません。
今回のまとめ
以上どうだったでしょうか?
思っていたよりも燃費が良かったり、
サイズ、排気量が小さい車もあったのではないでしょうか?
ただ、ご紹介した車のほとんどがアメリカ国内で生産された車ではないので、

トランプは納得しないだろうねw
アメリカ生産にこだわらないのであれば、かつてのフォード フェスティバはマツダ デミオをベースにして
日本を含めたアジア、オセアニアで成功しています。
結果は惨憺たるものでしたがキャバリエやヴォルツといったトヨタとGMの共同開発車も過去にあったのですから、
このあたりをきちんと見直しすれば、もう少し日米の関係はお互いに有益なものになるのかもしれませんね。
それでもやはり世界的に見ても日本人の車に対するニーズは特殊と言えますので、日本のメーカーが日本人の為に作った車が一番合うというのが再確認できたのではないでしょうか。