くるまる

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新車であっても、中古車であっても車を買って乗っていれば、年月と走行距離にともなって価格は下がり続けますよね。

通常、購入から10年も経てば車販売ディーラーなどで買取査定をお願いすると、ほとんど買取査定額がつかない状態です。

特にマイナーチェンジやモデルチェンジが行われた場合はグンと値段を下げてしまい、まだまだ走れるというのに残念な気持ちになってしまいます。

 

ところが、購入から年月が経っても価格が下がらず、逆に値段が上がってしまうような車があります。

フェラーリを買うのは投資?

高い確率で安定的に将来は購入金額とあまり変わらない金額や購入金額よりも高額に買い取ってもらえる金塊のような車はあります。

その車の代表格が

 

フェラーリです。

 

フェラーリは中古車になっても価格が落ちにくいことで有名です。

また、古くなっていくにつれて再び値段を上げていこともあります。

このことから、今フェラーリを買っておいて何年か眠らせておけば投資と同じだという噂があります。

 

限定車のフェラーリは新車が一番安い

フェラーリとひと口に言ってもたくさんの車種がありますよね。

大きく分けると限定車(スペチアーレ)と量産車に分かれます。

 

まず、限定車の例をひとつ上げてみましょう。

Ferrari Enzo Concours

出典:Wikipedia

 

フェラーリ創業から55年目となる2002年に『エンツォ・フェラーリ』というフェラーリの創始者と同じ名前を付けられたこのフェラーリは

新車当時の販売価格が約7500万円でしたが

10年たった現在の中古車市場では1億5千万円とも2億円とも言われています。

なんと、発売してから10年たっても新車の販売価格を一度も下回ったことがないという車だそうです。

 

村人顔

1億円儲かるなら借金してでも限定車のフェラーリを買ってみたいな!

 

「1億円儲かるなら借金してでも限定車のフェラーリを買ってみたい」あなたもそう思ったのではないでしょうか?

 

くるまる

でも、私たちのような庶民では限定車のフェラーリはフェラーリ社から売って頂くことはできないんです。

 

エンツォ・フェラーリの生産台数は399台。(後にチャリティオークションの為ローマ教皇が注文、1台追加生産されて400台になった)

なぜ399台という半端な数字なのでしょうか?

 

このエンツォ・フェラーリを発売する前には市場調査を行って、何人の人がこの車を確実に購入してくれるのかを調べています。

その結果、400人が購入の意思を示しました。

それに対してフェラーリ社は「需要よりも1台少なく作れ」というフェラーリ創業者の言葉に従って、399台の生産と決めるのです。

 

そうして生産に取り掛かる前に「399台の限定車」であることをマスコミ発表すると、

このエンツォ・フェラーリを購入したいと3000人以上の人たちが前金を持って予約にかけつけたそうです。

 

その中3000人の中から399人を決めるのはフェラーリ社です。

レクサスやホンダみたいに「抽選」なんてしてくれません。

 

これまでフェラーリ(もちろん正規ディーラーから)をどれくらい購入しているか?

フェラーリにどれくらい愛情があるか?

が問われます。

単純に7500万円のお金と運を持っているだけではダメなんです。

 

くるまる

でも、中古車になってしまえば当然フェラーリ社の目はおよびません。

 

限定車のフェラーリでも中古車なら、お金さえ出せば手に入れることは可能なのです。

こうしたことから手に入れるのが非常に難しい限定車のフェラーリを新車で購入した場合には値落ちするどころか大きく価格を上げることは、ほぼ確実です。

 

現在の最新限定車はフェラーリ初のハイブリッドカー 『ラ フェラーリ』です。

 

 

 

これも同じ販売方法がとられ、生産台数499台のうち数十台(30~40台と言われています)が日本にも納入される予定だそうです。

新車価格で約1億6千万円ですから、中古市場に出回る時には倍程になって、3億円を超えるのではないでしょうか。

 

ただ、現時点でフェラーリから案内が来ていなければ、ラ フェラーリの新車をフェラーリ社から売って頂くことはできません。

1億6千万円をあわてて工面したとしても限定車のラ フェラーリの新車を手に入れることはできないという事です。

 

量産車のフェラーリならどうか?

量産車のフェラーリについてですが

こちらは一応、誰でもお金を出せば購入することができます。

 

一応と書いたのはもちろん理由があります。

フェラーリはセミオーダーメイド車。

注文してから納車まで数年かかることがほとんどです。

 

注文時には車両合計金額の一割を支払います。

注文後順番がまわってきて生産に差し掛かり、納車約6ヶ月前には連絡が入り、これ以降のキャンセルはこの前金を失うことになります。

例えば458スパイダー(車両価格3060万円)にオプションを付けていくと3400万円くらいになります。

この一割ですから340万円がキャンセル料という事です。

 

しかし、この数百万円というお金を捨ててまでキャンセルする人も実は多いようです。

 

注文してから数年のうちに景気が変動してしまう可能性は十分にありえます。

倒産しそうな会社を経営している人にとっていつ納車されるかわからないフェラーリが納車されてから売りさばく余裕なんてないでしょう。

340万円すっぱりあきらめて3060万円会社の為に使う方が賢い選択と言えます。

 

こうしてキャンセルされた新車のフェラーリを運よく購入することも可能ですが、自分の思い通りの車種やボディカラーとは限りません。

 

そこで注目されるのがやはり中古車です。

『在庫』として目の前に存在するのですから、量産車のフェラーリであっても今すぐ乗ってみたい人は中古車を探すのがてっとり早い選択なのです。

なので、量産車のフェラーリは限定車のフェラーリに比べると価格がハネあがるようなことはありませんが、急激な価格下落もありません。

 

但し、気をつけてほしいのは急激な下落はないものの、ある程度は下がっていくことです。

また、後部座席のついた4人乗りフェラーリは他のフェラーリに比べると価格の下がり方が大きいです。

 

おススメのフェラーリ

今、おススメのフェラーリは発売から20年~30年ほど経った小型のV8モデルです。

具体的にいうと

308GTB/GTS

328GTB/GTS

348tb/ts

348GTB/GTS

F355

このあたりの車です。

どれも価格は1000万円を切る車体を見つけることができます。

なぜおススメするかというと、

中古車として価格が下げ止まって、少しずつですが価格を上げ始めています。

年月が経ったことによる希少性の向上と、308、328に関しては経済景気が良かった発売当初は不人気車でしたが今になってその価値が見直されはじめているためです。

 

小型V8モデルフェラーリの中でも特におススメしたいのはF355です。

 

Ferrari F355 - Flickr - Alexandre Prévot (5)

出典:Wikipedia

 

F355は大幅に近代化が進められたモデルで、エアコンやパワステを装備し、F1マチックと呼ばれるセミオートマ車も選ぶことが可能です。

つまり多くの人が身構えることなく乗れるフェラーリなので、入門用として需要が大きいと言えます。

スタイルもシンプルかつフェラーリらしい流線型をしているので、悪くいう人はいません。

 

さらに、フェラーリ社のセルジオ・マルキオンネCEOは、

2019年からフェラーリの全モデルをハイブリッド化する計画をしていると発表しています。

このことから、『純粋なガソリン車フェラーリ』というジャンルがマニアや中古車業界の間で確立されるかもしれません。

 

量産車のフェラーリは1年や2年で価格がハネ上がるようなことはありませんが、10~20年もすれば大きく価値を上げる可能性が高いです。

しかも途中で手放すことになったとしても大きな損をする可能性も低いでしょう。

 

 

ネットで噂のアルファード・ヴェルファイア

少し前からインターネットを中心にひそかに話題になっている噂話があります。

「アルファード、ヴェルファイアは1年乗っても値段がほとんど下がらず、場合によっては新車購入価格よりも数十万円高くなった。」

という話です。

そんな噂話の中からひとつの体験談をご紹介しましょう。

 

男性30代男性30代

アルファードを新車で買ったんだけど、1年ぐらい経って特別仕様車 『ヴェルファイア ゴールデンアイズ』が後から発売されてTVコマーシャルを見るたびに後悔してたんです。

 

このオーナーさんは、この特別仕様車『ヴェルファイア ゴールデンアイズ』にどうしても乗り換えたくなってしまいました。

とはいってもアルファードからヴェルファイアというほとんど見た目しか変わらない姉妹車への乗り換えなんて家族に反対されるだろうとあきらめていたのでした。

 

それでもあきらめきれないこのオーナーさんは、整備点検のために行った車販売ディーラーで

 

男性30代男性30代

今、この車を下取りに出したらいくらぐらいになるのかな?

 

軽い気持ちで担当営業マンに声をかけました。

担当営業マンは点検のついでだからと、こころよく引き受けてくれました。

 

しばらくして戻ってきた担当営業マンから提示された金額は

 

D社

きれいに乗ってらっしゃるので、今でしたら365万円ですね。

 

このオーナーさんのアルファード(2.5L、2WD)は2016年1月にナビやETCなどのオプションを付けて400万で購入していました。

 

男性30代男性30代

思っていたよりも下取り金額がよかったなぁ。車買い取り専門店ならもう少し高額な査定かも。

 

と家に戻り、今度はインターネットから一括買取査定を申し込みました。

 

▼ディーラーよりも専門店の方が買取価格が良い理由は過去記事にて▼

https://usedcarsbuying.com/

 

申し込み後すぐに電話があり、その日時間の都合がよい買取会社に出張査定を申し込みました。

そして、買取専門店が提示した査定額を聞いたオーナーさんは耳を疑いました。

 

A社

今日売却を決めて頂けるのなら400万円でどうですか?

 

なんと購入した金額と同じ400万円を提示されたのです。

 

もちろんこのオーナーさんはそこでアルファードを売却して、まよわずヴェルファイア ゴールデンアイズを手に入れたのでした。

しかもナビやETCは前のアルファードから取り外し、ヴェルファイアに付け替えてもらった為、その分の数万円がおつりとして返ってきたのでした。

さらに新車を買いなおしたので、車検も1年伸びたことになります。

 

なぜ、このような事が起きたのでしょうか?

 

実はこの時、中古アルファードの海外人気が非常に高かったのに加えて円安が進んでいたのでした。

買い取り専門業者は店頭販売を目的として買取をしているのではなく、業者オークションや海外輸出といった転売を目的に買取を行っています。

 

アルファード、ヴェルファイアの輸出は今のところアジアの富裕層向けが中心で、現地では日本円に換算すると1000万円近くで取引されていると言われています。

 

車の海外輸出入は米国ドルで決済される事がほとんどです。

価格も大きいので海外業者にとって外国為替の影響は大きく、円安ドル高の時には仕入れ金額が抑えられるので、たくさん注文が入ります。

こうした条件が重なると、新車から1年乗った中古車でも購入金額と同等、時によっては購入金額よりも高い値段で査定してもらえることがあるのです。

モデルチェンジ直後にアルファードを購入し、売却時には100万円ほど儲けたという人もいたようです。

 

カラーやオプションで買い取り価格は大きく違う

アルファードやヴェルファイアが高く売れるといっても、なんでも良いというわけではないので注意が必要です。

グレードやオプション、ボディカラーといった違いで価格が大きく左右します。

例えばボディカラーで言うとパールホワイトとブラックは人気ですがその他の色になると

約40万円も買取査定が下がってしまうそうです。

また、ツインムーンルーフやプリクラッシュセーフティといったメーカーオプション(工場出荷時につけるオプションで後付けできない)の有無によっても20万~30万円は査定が違います。

 

くるまる

こういったトレンドは輸出先によっても違いますし、いつ変わってしまうかはわかりませんので、情報収集と先見の明が必要となります。

 

1年間乗ってから売却する理由

アルファード、ヴェルファイアに関してはここ数年アジアでの中古車価格高騰が続いており、1年に1度同じ車に乗り換えるという人もいるくらいです。

この1年に1度というのにも理由があります。

 

現在トヨタはアメリカ政府からの依頼によって自社の車輸出に規制をかけています。

アルファード、ヴェルファイア そして、ハリアーやランドクルーザー、ランドクルーザープラドといったSUV車は現在、イスラム国への輸出、テロ組織がトヨタ車を手に入れることを防止する意味で販売店、顧客にも協力が必要となっています。

 

その為、これらの車を購入する時には

1年以内の中古車売却を禁止する契約書へのサインを求められることがあります。

この契約書にサインしておきながら中古車として売却してしまうと、ブラックリストに名前が乗せられて『トヨタから』車をおろしてもらえなくなります。

トヨタからおろしてもらえないので全国どこのディーラーでもその他販売店でも新車を購入することが出来なくなってしまうのです。

 

前述した通り、現在アジアの富裕層を中心にアルファード、ヴェルファイアは大人気です。

つまり需要はあるのに、国内規制があるため思うように輸出ができないという状況です。

 

欲張ると大変なことになるかも

現在こうした背景があるので、需要に対して供給が足りていないアルファードやその他一部の車には高額な買い取り価格が付けられています。

販売業者の中には欲張って10台程の新車を購入し、輸出規制解除や納車を待っている間に値崩れが発生して大損したという人や

海外で人気のある排気量やボディカラー、グレード、オプションのトレンドを見誤ってたくさん新車を仕入れてしまい、結局在庫として投げ売りすることになってしまった人

も大勢いるので、十分な情報を得られないのであれば『儲け話』としては手を出さない方が良いでしょう。

 

アルファード、ヴェルファイアに関しては国内の人気も非常に高いので、1年普通に乗って短期での乗り換えに関しては今後しばらく大きな損になることはなく、『賢い乗り方』の一つとして考えるのは良いかもしれません。

 

 

まとめ

今回お話しした車以外でも、国産車、輸入車問わずクラシックカーは年々価格を上げる傾向にあります。

もし、趣味で車を買うのなら、そういった価格の落ちない、落ちにくい車を選ぶことによって様々な車種を乗り継ぐことができるかもしれませんね。

 

そして、アルファード、ヴェルファイアのように1年に1回乗り換えることによって常に新車に乗りながらも、車検費用などを安く抑える賢い乗り方もあるという事は覚えておいて損はないでしょう。

以上、中古車になっても価格の落ちない車、新車を中古にしてしまえば価格がハネ上がる車の話でした。

 

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