
こんにちは。
くるまかいとり村
村長です。
あなたは今乗っている車をできるだけ高く売って、次の車に乗り換えたと考えているでしょう。
ですが世の中には自分からできるだけ安く買い取ってほしいと言って、車を下取りに出す人も存在するのです。
そんな人たちが売りに出すようなところへあなたの車を買取に出してしまったら、もちろん高額査定なんて期待できませんよね?
車を安く買ってほしいとお願いされるお店はココだ
あなたが損をしてしまわないように、先に答えを言っておきましょう。
そのお店とは
新車を売る自動車ディーラーです。
そもそも自動車ディーラーは新車ができるだけ販売につながるように、独特の査定方法で車を買い取っています。
ですが、その自動車ディーラーにお願いしてまで安く買い取って欲しいという人たちはどんな人たちなのでしょうか?
安く買ってほしいとお願いする人
それは、会社やお店を経営している人達です。

ぜんぜん理由がわからないんですけど?
それでは、なぜ経営者の方たちが買い取り価格を安くしてほしいとお願いするのかをお話ししましょう。
これは経理上、税金対策の為です。
経営者の人たちは必要経費で車を購入すればその購入代金が収入とはされず、課税の対象から外れます。
詳しくは下記の記事で説明しています。
そして大きな金額の物、例えば車を買うとその金額が原価償却といって分割で経費計上されるようになっています。
自動車の新車の場合、6年ですから、1200万円のベンツSクラスを購入したとしたら、毎年200万円が必要経費として認められるのです。
そこで、3年で車を売ってしまったらどうなるのでしょう?
もちろん車を売ってしまう事は可能です。
6年という長い歳月で事故や故障などのトラブルに一切合わない、とは絶対言えませんからね。
仮にこの1200万円で買ったベンツSクラスを3年で売ろうとしましょう。
すると、経理上ではその時点で
原価償却されていない残りが車の価値になります。
3年なら、残りの600万円がその車の価値になります。
3年で新車価格の半分?

えっ!?ベンツってたった3年で買い取り額が半額になっちゃうの??
慌ててはいけません。
これは経理上の価値が半分になるだけであって
実際の査定とは全く関係ありません。
経理上であればどんな新車であっても3年で半分の価値になります。
売却利益か売却損益か
そしてこの減価償却中の車を売却するとどうなるのか?
売れた金額は売却利益といって、会社の黒字になります。
但し、経理上の価値と比べてその売却は得だったのか損だったのかを考えます。
例えば、この600万円減価償却を残したベンツSクラスを800万円で買い取ってもらったとします。
すると、経理上売却利益は200万円の黒字です。
会社として合計した時にこの200万円が黒字の場合は収入になるので税金がかかります。
逆にこのベンツSクラスが400万円で買い取られたとします。
するとこれは
売却損益となって、200万円の赤字です。
200万円の赤字なのでこれには税金がかけられず、それどころか他での黒字を200万円分非課税にする事だって可能です。

だんだん見えてきましたか?
買取は安く、値引きは大きく
原価償却中に車を手放す場合、経理上の価値よりも安く買い取ってもらう方が経理上赤字になって何かと便利なのです。
ただ、そこで単純に安く買い取ってもらうだけでは、税金が安くなるからといってもさすがに損です。
そこで、経営者の人たちは自動車ディーラーに
買取は安くして、値引きを大きくしてほしい。
こう伝えるのです。
例えば、新たに買う車が1300万円だったとしましょう。
この車は100万円値引きが可能です。
今乗っている車が下取りで査定額が800万円だったとします。(経理上価値は600万円)
この取引のままだと
1300-100=1200万円の赤字(必要経費)
800-600=200万円の黒字(売却利益)
その年の会計は1200万円÷6=200万円(1年分の原価償却費)-200万円(売却利益)
=0円(赤字も黒字もない)
これを100万円買取を安く、値引きを100万円大きくすると、どうなるでしょう?
1300-200=1100万円の赤字(必要経費)
700-600=100万円の黒字(売却損益)
その年の会計は1100万円÷6=183万3千333円-100万円(売却利益)
=83万3千333円の赤字
という事はその年に儲けた83万3千333円分は非課税になるという事なのです。
ディーラーにとっては同じこと

極力お客様のご要望にお応えしますよ!(損がない範囲なら)
ディーラーにとって、値引きを入れる代わりに下取り車を安く買えば、入ってくる儲けは同じです。
なので、新車ディーラー店は買取に関してシビアな考えを持っていません。
何せ、安く買い取った方が喜ぶお客様がいるのですから。
こうした理由からも新車購入時にディーラーで今の車を下取り査定してもらうことがどれだけ損につながるかがわかりますよね。
ですから、あなたが経理上どうしても赤字を出したいと考えていないなら、複数の買い取り専門店でしっかり比べて買い取ってもらうようにしましょう。